サポートシリーズ3部作

 KATが“自閉症”の診断を受け、私が“自閉っ子の親”であることを多分本当の意味で受け入れた時、最初に作ったのがこの『サポートブック』でした。その時すでに作って持っていたお母さん仲間から見本を貸していただいて、当時の担任の先生とも相談しながら作りました。それから、毎年誕生月には更新して、その度に少しずつバージョンアップさせていて(つもり)、現在第4弾ぐらいになっています。特徴としては、なるべく箇条書きにして、ポイントになる部分は色分けして文字も大きくしてあります。本当はイラストなども入れた方がよりわかり易いのですが、残念ながら私は絵心が全く無いため描けないので、文字だけのものになっています。

 やはり先輩お母さんのものをお手本にさせていただいて、中学校進学に当たって作ったのが『サポートシート』です。特学の担任の先生にはもちろんサポートブックに目を通して頂きたいのですが、他の先生方や学年の先生たち一人ひとりにお渡しするわけにもいきません(私としては読んでもらえるのならばいくらでもお渡ししますが…)。そこで、サポートブックの中身を絞って、なるべくなら多くの先生方に知っておいて頂きたいことを、表裏両面に納めたものを作りました。KATの場合、“コミュニケーション”“パニック”“こだわり”は障碍特性として外せないので、片面には、その3つの項目についてサポートブックから抜粋したものを記載しました。もう片面には、KATの顔写真とプロフィール、そして一般的な自閉症の説明本人の特徴などを記載しました。

 そしてもう一つが『サポートカード』です。サポートシートの内容をもっと更に簡素化させた、いわゆる名刺です。これは多分、使う目的によって、何種類か作ると良いのだろうと思います。例えば、職場体験用、電車・バス乗車用、買い物用など、その時に必要な情報をピンポイントで記載しなければいけません。

 これら3部作を作りながら、その時々でいつもKATについて見つめ直す作業ができます。基本的に、KATはどんな子なんだろう?ということから、どんな事がわかってもらえれば助かるのか?どんな風に対応してもらえばいいのか?など、普段の自分の対応の仕方の反省にもなったり、KATの自閉症という障碍について、改めて整理できる良い機会になっています。そして、実際に使ってみて、「作って良かった♪」と思うことが何度もありました。これからも、何度も作り直しながら、将来はKATが自分で持って歩いて、使えるものになったらいいな~と思っています。